パリミュチュエル方式
日本のギャンブルといえば、競馬や競艇、パチンコなどがメジャーですよね。しかし、最近ではオンラインカジノやスポーツベットなども人気になりつつあります。
ですが、ギャンブルでは、一体どのように胴元が配当を決めているのか気になったことがある方は多いのではないでしょうか。
今回はそんなギャンブルの配当を決める方法である「パリミュチュエル方式」について解説します。配当を決める方法にはこの「パリミュチュエル方式」と「ブックメーカー方式」の2つが主なものになります。
これらは、カジノ運営者側の解説です。孫氏の兵法にも「敵を知り、己を知れば、100戦危うからず」とあるように、オンラインカジノでも勝つためには相手側の事情を熟知することも必要です。
ルーレットやバカラやポーカーなどのカジノゲーム全てに関係するこの配当の決め方について知っておいて損はないですよ。
パリミュチュエル方式とは?
パリミュチュエル方式とは、競馬などの公営競技にも使われているもので、投票券やロトなどの配当を決定する方法です。
「パリ」という名の通り、現在より150年ほど前にフランスで「ジョセフ・オレール」という人物が考案し、フランスで正式に法制化されたものです。
パリミュチュエル方式は1867年に現在も運営を続けているキャバレー「ムーラン・ルージュ」の出資者兼演出家となるジョセフ・オレールが考案しました。
ムーラン・ルージュの開業は1889年なので、ムーランルージュ開業前に考案したことになります。ジョセフ・オレールが考案したパリミュチュエル方式は非常に優れていたため、1891年にはフランスの公式の方法として法制化されました。
ちなみに非常に多くの数字を処理する必要が生じたことがきっかけとなってトータリゼーションシステムを生むことになりました。
日本では、1888年(明治21年)に横浜の外国人居留地内で行われたニッポン・レース・クラブで馬券の販売に利用された時だったと言われています。
以降、現在日本で行われている公営競技はこのパリミュチュエル方式が採用されています。公営競技とは競馬、競輪、スポーツ振興くじ、競艇などのことです。また年末ジャンボなどでおなじみの宝くじにも採用されています。
パリミュチュエル方式の仕組み
パリミュチュエル方式の仕組みは、総売上を一旦プールして、胴元がそこから一定の割合を差し引き、残りの金額を賭けに勝った人に分配するというものです。
順を追って分かりやすく説明すると下記のような流れになります。
①予想券(投票券)を購入してもらう
この時点では、配当はまだ決まっていません。
②購入額をすべてプールする
この時点で、控除率(胴元の決まった取り分)を差し引いた上で配当を決めます。
③抽選やレースが行われ、当選者が確定する
④配当に応じて、当選者に分配する
このように、全ての人が購入して控除率を引いた、残りを分配することになることからパリミュチュエル方式では運営者側の利益がマイナスになることはありません。また、購入者が多ければ多いほど運営者側の利益も大きくなります。
パリミュチュエル方式のシミュレーション
では、具体的にパリミュチュエル方式ではどのように配当を決めているのでしょうか。実際にシミュレーションして配当を決める手順を見ていきましょう。
下の表は5人が賭けに参加して、それぞれ賭け金を出したケースです。
【控除率:10%の場合】
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
賭け金 | 200ドル | 60ドル | 110ドル | 80ドル | 50ドル |
この場合、資金のプール額は200+60+110+80+50=500ドルとなります。
そして、パリミュチュエル方式に従い、まず運営者が控除率の10%(50ドル)を差し引きます。そうすると、残金は450ドルになります。
ここでは2番の人を例にして配当を計算してみましょう。450ドル÷60ドル=7.5、つまり配当は7.5倍になります。このようにそれぞれの賭け金ごとに計算して配当を算出したものが次の表です。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
賭け金 | 200ドル | 60ドル | 110ドル | 80ドル | 50ドル |
配当 | 2.25倍 | 7.5倍 | 4倍 | 5.6倍 | 9倍 |
このように、パリミュチュエル方式では賭け金を計算されています。
実際のパリミュチュエル方式の計算はこんなに簡単ではありませんので通常はシステムを使って処理します。
的中者がいなかった場合
パリミュチュエル方式では的中者がいない場合に、全購入者に対し控除率相当分を差し引いた額を払い戻す制度がある場合があります。
日本の公営競技で一部を除き用いられている方法であり、投票券を発売したレースで的中該当者がいない場合、その投票券を購入した者全てに特別払戻金として1口(例100円)につき70円または80円の払戻し(通称・特払い)が行われます。
なお、特払の金額は1口(100円)に対する控除率(日本の公営競技では概ね70 – 80%。主催者により異なる)に基づき控除額を差し引いた残額から10円未満の端数を切り捨てて算出する形となっています。
発生の頻度は高くないものの、組み合わせが多い競馬などでの三連勝式馬券や売り上げの少ない競艇・オートレースの単勝式・複勝式舟券(車券)などで見られることがあります。日本の中央競馬では1971年に福島競馬場で単勝式の的中者がなく発生したものが最後の記録となっています。
控除率とは?
控除率とは胴元が取る手数料のことです。パリミュチュエル方式ではこの控除率が必ず存在します。英語では「ハウスエッジ」、日本では「テラ銭」と呼ばれてきたものとほとんど同じです。(テラ銭には参加料も含まれることがありますので、ほぼ同じと表現しています。)
一方、賭けた額に対してどれだけの金額が払い戻されるのかという観点から同じことを表現したものを還元率と言います。控除率が高ければ当然ですが、還元率が低くなるので控除率が低ければ低いほどプレーヤーにとって有利なゲームと言えます。
ゲームごとの控除率
それでは実際に公営競技やカジノのゲーム毎に控除率を見ていきましょう。
宝くじ | 55% |
中央競馬・地方競馬 | 20~30% |
パチンコ・パチスロ | 10~15% |
ルーレット(アメリカン) | 5% |
ルーレット(ヨーロピアン) | 2.7% |
ビデオスロット | 3~15% |
バカラ | 1% |
ブラックジャック | 1% |
見ていただいて分かるように、宝くじや競馬などの公営競技がずば抜けて控除率が高いのかがよく分かります。
パチンコ・パチスロも10%以上は店の利益になるわけなので、大きな利益になるのも頷けます。それに対してオンラインカジノでプレイされるバカラやブラックジャックはほぼ1%です。つまり99%はプレーヤーに還元される仕組みになっているということです。パリミュチュエル方式を十分に活用している宝くじを買ったりパチンコを打つよりも、オンラインカジノで遊ぶ方がプレイヤーにとっては有利だということがわかります。
ブックメーカー方式との違い
では、パリミュチュエル方式ともう一つのブックメーカー方式ではどういった違いがあるのでしょうか。
競馬などと違い、カジノは同じギャンブルではありますが、パリミュチュエル方式を採用していません。カジノではパリミュチュエル方式ではなくブックメーカー方式を採用しています。
ブックメーカー方式はどういったものかと言うと、スポーツベットが一番有名です。元々は18世紀末のイギリスで始まったと言われています。
パリミュチュエル方式とは異なりブックメーカー方式では配当があらかじめ決められています。
例えばオンラインカジノのルーレットで言えば、「赤黒が2倍」、「ストレートベット(1点賭け)は36倍」というようにあらかじめ配当が決められていて、参加者はその配当を見ながら賭けます。
パリミュチュエル方式がすべての資金をプールしてから控除額を差し引くのと異なり、ブックメーカー方式ではあらかじめ差し引くということができません。そのためオンラインカジノやランドカジノでは、運営者が負けるということがあり得るのです。
またパリミュチュエル方式では配当はxx倍と表示しますが、ブックメーカー方式では2:1のように対比で表示されるという違いがあります。ちなみにこの方式は日本では「ノミ行為」と呼ばれて法律で禁止されています。
パリミュチュエル方式じゃないのにどうやって儲けるの?
オンラインカジノやランドカジノは、利益の約束されているパリミュチュエル方式ではなく、ブックメーカー方式を採用しています。
では、どのようにして儲けを出しているのでしょうか。例として、ルーレットで考えてみましょう。
ルーレットは「1-36」までの数字を当てるゲームで、配当はストレートベット(1点賭け)なら36倍に設定されています。
ところがルーレットの数字をみると「赤」でも「黒」でもない「緑」の「0」や「00」があるのが分かります。
ヨーロピアンルーレットでは「0」のみ、アメリカンルーレットでは「0」と「00」があります。ここで還元率を考えてみましょう。
・ヨーロピアンルーレット
36の数字÷「0」を含む37通り=0.972 還元率は97.2%となります。
・アメリカンルーレット
36の数字÷「0」と「00」38通り= 0.947 還元率は94.7%となります。
この還元率を100% から引いた数が「控除率」としてカジノの運営側に流れています。このようにしてカジノ運営側は利益を確保しています。もっともこのブックメーカー方式は潜在的に運営者が負ける可能性はあります。
パリミュチュエル方式での戦略
パリミュチュエル方式とブックメーカー方式の違いが分かりましたね。では、パリミュチュエル方式での有利な戦略はあるのでしょうか。
日本の競馬を例に、まず特徴を見てみましょう。
・馬券の販売は数日前から開始され、数十分前まで行われている。
・締め切りまで配当が確定せず、オッズがギリギリまで変動する。
・馬の体重やパドックなど直前にならないと得られない情報がある。
これらの特徴からすると、パリミュチュエル方式の競馬をより有利に賭けるためには、馬券はとにかく直前に購入するということが重要です。
特に競馬は馬の体重や調子などパドックで直前にならないと得られない情報があるため、直前に買うというのが最も重要なポイントになるでしょう。
ブックメーカー方式であればいつ購入しても問題はありませんが、パリミュチュエル方式の場合は締め切りまで配当が確定しないので期間が空いてしまうのは不利に働くことが多いです。
おすすめのオンラインカジノ
10ベット
10ベットは、2003年に設立されたかなり老舗のオンラインカジノサイトです。そして、2017年に大幅なサイトリニューアルが行われ、大変多くのゲームが追加されたり、使いやすい洗練されたデザインになったりと、非常に遊びやすいオンラインカジノです。
ドラゴンタイガーはもちろんライブでも楽しまめますし、10ベットはスポーツベットも1つのアカウントで遊べるという特徴もあります。
初心者の方にもおすすめのオンラインカジノと言えるでしょう。
ジョイカジノ
ジョイカジノは人気サイトである、カジノエックスの姉妹カジノとして2014年に設立され、日本市場には2016年から参入しています。
ジョイカジノの特徴はなんといっても、プロモーションの豊富さにあります。
プレイヤー同士で勝利額などを争うトーナメントや、入金すると貰える「宝くじ」、特定のアクションを起こすと入金不要ボーナス(無料ボーナス)が貰えるアチーブメントなど、一般の方にもハイローラーの方にもおススメのカジノです。
チェリーカジノ
チェリーカジノは特にオンラインカジノ初心者におすすめのオンラインカジノです。運営会社は1963年の創業後、カジノ事業を中心としながらも多方面で事業を展開し、大成功を収めた信頼性の高い企業ですので、非常に安心です。また、チェリーカジノの歴史はスウェーデン国内のテレビCMでも放送されており、チェリーカジノがどのように時代を歩んできたかを垣間見ることができます。
まとめ
いかがだったでしょうか。ギャンブルの歴史が詰まったとも言えるパリミュチュエル方式を見てきました。
必勝カジノや他のギャンブルでも、なんとなく勝負していた場合は、今までよりも運営者側のルールであるパリミュチュエル方式とブックメーカー方式を理解できると、それまでの見方が少しだけ変わるかもしれません。
特にパリミュチュエル方式は世界中で広く採用されている、最も一般的なギャンブル運営者のルールなので、是非ここでしっかりと理解しておくといいですよ。
なおこの二つの方式は長い年月で洗練されているので計算方式などはかなり複雑化しています。もし興味のある方はぜひそれぞれの計算方式や配当について調べてみてくださいね。
また、カジノには様々な必勝法があります。数学的にも証明されている非常に有力な手法で、ヨーロッパを初めとして知名度の高い必勝法である『ココモ法』などがおすすめです。